平成24年4月より介護老人保健施設(以下老健)が2つに分類されました。

基本方針にうたわれているように、老健では入所者がリハビリテーション等に取り組み在宅に返すという本来の目的があります。しかし、これまでの従来型の老健では本来の目的を担うことが難しい施設も多く存在し、退所後の療養場所として在宅ではなく特別養護老人ホームなどの待機場所として利用されている現状もありました。
厚生労働省では平成24年4月の介護報酬の改定で、将来の老健のあるべき姿を提示し、基本機能を満たした上で在宅復帰や在宅療養を支援する機能の充実化が図られるとともに、リハビリテーション機能の強化や医療ニーズに対応するための肺炎や尿路感染症などの疾病の治療に対する評価を見直しました。

在宅強化型老健は老健施設の中でも在宅復帰率などにおいて厳しい条件が設定されています。

年度別在宅復帰率 在宅復帰率シミュレーション

いちいの杜では平成24年2月に上記の3項目の条件をクリアし、この4月より在宅強化型老健としてスタートを切ることになりました。
全国で3800施設余りの老健があるなかで、在宅強化型の条件を満たすのは3%程度と予想されています。

日本ではこれから2025年に向かってますます高齢化がピークを迎えようとしていますが、これからは老健が地域に根ざした在宅生活を支援する拠点として求められており、いちいの杜も必要としているより多くの方にご利用していただきたいと思っております。いちいの杜は平成15年4月に開設した当初より、老健としてご利用者の方の在宅復帰を支援させていただきました。
10年目を迎えるこれからも変わることなく良質なケアの提供とサービスの質の向上に努め、継続して在宅復帰を推進し在宅療養を支援する体制を築いていきたいと思っております。
また、介護の問題を抱えているご利用者のご家族の皆様においても、少しでも不安が解消され介護負担の軽減が図れるようサービスの相談もさせていただきます。

在宅復帰につなげる取り組み
いちいの杜では入所期間は3ヶ月をひとつの目安と考えて、ご利用者の在宅復帰ができるよう取り組んでいます。各専門スタッフや関係事業所など施設内外との連携を密に図りながら統一したケアが提供できるよう日々努力しております。在宅復帰につなげるにはそのご利用者の要介護度の程度や介護量の有無だけでなく、ご家族の熱意や協力がとても重要で、一番必要なのは施設との信頼関係だと考えております。

■1ヶ月目
・利用者の状態像の把握と評価
ケアプランの作成(施設サービス計画書・リハビリテーション実施計画書・栄養ケア計画書)
ケアカンファレンスにて課題の検討と目標の設定を行う。
  →医師、看護師、介護士、リハビリテーション療法士、管理栄養士、介護支援専門員、支援相談員等各部署担当者との意見交換と情報の共通化を図る。

・リハビリテーションと自立した生活動作の獲得に向けた取り組み
 ケアプランの実施
→リハビリテーション療法士による個別訓練・集団体操・物理療法等。
→フロアーでの生活リハビリ訓練の実施。排泄動作、移動や移乗、生活動作全般における自立支援。
→NSTの関わり。(Nutrition Support Team 〜栄養サポートチーム〜)管理栄養士、言語聴覚士を中心に利用者の摂食評価、嚥下状態や食形態の確認、口腔ケア、おいしく食べる工夫を行う。
→医療的管理を行う。バイタル測定と皮膚状態の観察に努め、安定した全身状態が維持できるよう支援する。痰吸引、胃ろう管理、インスリン注射や血糖チェック、バルーンカテーテル管理等。

・家族面談(初回)
支援相談員より現状の心身状態の報告、ケアプランの提示と内容の同意を得る。
→家族ニーズの把握、リハビリテーションに対する希望、家族協力背景や住環境についての聞き取りや介護保険制度や在宅サービスの説明を行う。

2ヵ月目
・ケアプランモニタリング情報収集、見直しの為のケアカンファレンス
→在宅生活において必要なこと、問題点を洗い出しそれにむけた目標の設定を行う。
 
・家族面談(2回目)
→家族へその後の経過、現状報告。
   課題解決・不安感の軽減に向けた話し合いと信頼関係の構築に努める。
→試験的に外出と外泊をしてもらう。又、医師や看護師、リハビリテーション療法士が立会いのもと住環境の評価を行い、必要な福祉用具について検討する。
→在宅復帰に向けて家族やサービス関係者に対する介護指導や医療手技指導の開始。
 
3ヵ月目
・退所判定会議 
・サービス担当者会議開催
→サービスの相談(介護保険サービス、医療サービス)居宅ケアマネージャーとサービス関係事業者との連携を図る。
→リハビリテーションの目標達成度の確認と最終的な評価を行なう。在宅生活において生じる生活上の課題解決に向けて、重点的に行なう生活リハビリテーション。
→医療ニーズが高いご利用者に対しては事前に訪問看護師が居宅訪問し相談する。
→地域連携の充実化。
 
退 所
・退所後も在宅での生活を支えていきます。


→訪問診療:金光クリニック

→居宅介護支援事業所

→訪問看護ステーション

→通所リハビリテーション

→訪問リハビリテーション

→短期入所療養介護